公演詳細
Event
予告

©Fumitaka Saito

  • 音楽

川口成彦フォルテピアノリサイタルシリーズ2025 ~10代の肖像~

先行発売日
[sacayメイト先行]8/21(木)12:00~8/25(月)13:00
*各プレイガイド先行あり
一般発売日
9/13(土)10:00~
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  • 窓口
  • プレイガイド
概要

偉大な作曲家の若き日々の心情風景に近づく―

MESSAGE 川口成彦

 高校生の時にドラマ「北の国から」のDVDをレンタルビデオ屋で借りて夜中に見るのにハマっていましたが、「北の国から ’87 初恋」で流れた尾崎豊の「I love you」に衝撃を受け、私はこの伝説的ロックシンガーの虜となりました。当時まだ17歳だったこともあり、彼の10代の頃の名作「卒業」、「シェリー」、「十七歳の地図」や「15の夜」がダイレクトに心に響きました。彼の発する言葉に宿る魂に自分自身が深く共鳴し、26歳で夭折した尾崎がいつも私の心の中にいました。
 しかし、私が尾崎が亡くなった26歳という年になって以降、不思議なことに尾崎の言葉はかつてのようには私の心に届かなくなっていることに気がつきました。もちろん今でも尾崎豊は私が心から尊敬する歌手の一人です。けれど私も少し大人になったのか、高校生の頃のような聴き方は昔の自分を思い出しながらでなければ出来ません。音楽は聴き手の人生の移ろいと共に、聴き方も変わるものだと、よく理解しました。

 この経験から私は作曲家が作品を書いた年齢というものを気にするようになりました。人は変化していく存在であり、それぞれの作曲家が作品を書いた「その時」というものの尊さを大切に思うようになりました。
 2025年度のフェニーチェ堺での演奏会シリーズでは、作曲家の年齢をテーマにしたいと思い立ちましたが、やはり作曲家として、人としての原点を感じられるような淡い10代に焦点を当てたいと思います。様々な時代の偉大な作曲家たちの「10代の肖像」。10代の自分自身を少し思い出しつつ演奏したいと思います。

第1回「哀しみと喜びと…」

2025年12月20日(土) 15:00開演(14:30開場)

 バロック、古典派、近代の3つの時代に活躍した若き芸術家たちの作品を、2台の楽器で演奏します。偉大なる大作曲家たちの「創造」に対する若いエネルギーの土台にあるのは独創性でしょう。「自分自身」というものが音楽において大きく確立されているからか、私はそれらの若き熱い精神に時代を超えて心を揺さぶられます。プログラムの目玉は19才のモーツァルトによる「デュルニッツ」の名を持つ大ソナタ、そして「エレジー」や「鐘」といった傑作が含まれる同じく19才のラフマニノフによる『幻想的小曲集』です。若者たちの喜びと哀しみがほとばしります。使用楽器はホール所有のモダンピアノ、そして私が所有するワルターです。日常を共にしている家族のような楽器をフェニーチェ堺で演奏することが、大変楽しみです。 (川口成彦)

■Program
ベートーヴェン:前奏曲 op.39-1/ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲 WoO63 
J. S. バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちによせて」 BWV 992
モーツァルト:ピアノソナタ第6番 「デュルニッツ」 K.284

ラヴェル:グロテスクなセレナード
モンポウ:《内なる印象》より「哀歌」(第1番〜第4番)
プーランク:3つの無窮動
ラフマニノフ:幻想的小曲集 op.3 
コルンゴルト:森が語るもの

使用楽器:ワルター 1795年頃 (C.マーネ復元、演奏者所有)、 ファツィオリF308(フェニーチェ堺所有)

ワルター 1795年頃 (C.マーネ復元、演奏者所有)
ワルターはモーツァルトやベートーヴェンと深い縁のあった当時のウィーンを代表するピアノメーカーです。古典派の時代のピアノ製造の二大中心地はウィーンとロンドンでしたが、まさに作曲家と共に音楽文化を大きく盛り上げた重要な名工でした。モデレーターという繊細な幻想的な弱音を出せるようにする装置も魅力的です。今回のコンサートでは演奏者自身が所有する愛着あるワルターが会場にやってきます!(川口成彦)

第2回「憧れと郷愁と…」

2026年1月24日(土) 15:00開演(14:30開場)

 堺でフォルテピアノ修復の歴史を刻んできた山本宣夫さん。彼が音を蘇らせた1845年製シュヴァイクホーファーを使用する第2回ではロマン派の作品たちにじっくり向き合います。ロマン派の時代の作曲家たちの多くはバッハやモーツァルトなど前時代の天才たちへの深い敬意を持ちながら大人になっていきました。過去への敬意や憧れは、新しい時代を生きる人たちにとって創造の大きな原動力となり得たでしょう。そしてまた全く新しい芸術がこの世に生み出されていく…。ナショナリティが強く意識されるようになることもロマン派の時代の特色の一つですが、そこには作曲家たちの祖国を超えた「人間」というものへの郷愁を感じることもあります。郷愁と希望に溢れた16歳のショパンの傑作『マズルカ風ロンド op.5』、後にバッハやベートーヴェンと並んでドイツ三大Bと呼ばれるようになるブラームスの10代最後の力作『ピアノソナタ第2番 op.2』など、どうぞお楽しみ下さい!(川口成彦)

■Program
フェリックス・メンデルスゾーン:《7つの性格的小品 op.7》第1番/「夏の名残のバラ」による幻想曲 op.15
シューベルト:ピアノソナタ第3番 D459
ショパン:マズルカ風ロンド op.5

グリーグ:4つの小品 op.1 
クララ・シューマン:即興曲「ウィーンの思い出」
ブラームス:ピアノソナタ第2番 op.2

使用楽器:シュヴァイクホーファー 1845年製(ヤマモトコレクション所有) 

シュヴァイクホーファー 1845年製(ヤマモトコレクション所有)
今回使用のピアノは1845年、品評会で金賞を獲得したその年に作られたものです。このメーカーはオーストリア帝国時代、皇室御用達の資格を得てルドルフ皇太子に愛されて今もそのピアノは国立ウィーン芸術史博物館に保存されています。このピアノは強い弦の張力からの影響を避けるために2本の金属製のバーがつけられて音域は6オクターブと9音の81鍵への拡大に成功しました。弦を打つハンマーはそれまでの革からフェルトに変わり、格段に幅の広い表現力豊かな音が得られる事になりました。(山本宣夫)

出演者
©Rikimaru Hotta

川口 成彦

1989年盛岡に生まれ、横浜で育つ。第 1 回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位、ブルージュ国際古楽コンクール最高位。フィレンツェ五月音楽祭や「ショパンと彼のヨーロッパ」(ワルシャワ)、モンテヴェルディ音楽祭(クレモナ)をはじめとした音楽祭に出演。協奏曲では18世紀オーケストラ、{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナなどと共演。2023年には神奈川フィルハーモニー管弦楽団の弾き振りも行う。東京藝術大学楽理科卒業後、同大学およびアムステルダム音楽院の古楽科修士課程修了。フォルテピアノを小倉貴久子、リチャード・エガーの各氏に師事。第46回日本ショパン協会賞、第31回日本製鉄音楽賞 フレッシュアーティスト賞受賞。近年は藤倉大や杉山洋一という現代作曲家からも作品を受け、初演のみならず積極的に演奏に取り組んでいる。またスペイン音楽をこよなく愛し、自主レーベルMUSISによるCD『ゴヤの生きたスペインより』(第2弾が2024年3月発売)や自主公演「スペイン音楽の森」などのプロジェクトも展開中。

会場

フェニーチェ堺 小ホール
※駐車台数が限られています。公共交通機関をご利用ください。

料金

全席指定(税込)
各回 一般:4,000円/U-22 (22歳以下):1,500円[枚数限定]

※未就学児入場不可
※やむを得ない事情により公演内容が変更となる場合があります。
※車いす席は堺市文化振興財団チケットセンターでご予約ください。

U-22チケットについて
公演当日の年齢が22歳以下の方が対象の優待料金です。(未就学児入場不可)
プレイガイドでの販売はございません。ご入場の際、年齢が確認できる証明書をご提示ください。

sacayメイト先行
受付期間8月21日(木)昼12:00~8月25日(月)13:00
抽選結果8月27日(水) 13時以降順次メール配信
※コンビニ決済を選択された方は、指定の期日までに決済手続きを行って下さい。
期日を過ぎますと当選が無効になりますので、ご注意下さい。
入金方法ファミリーマート店頭決済(手数料¥330/1件)、
セブンイレブン店頭決済(手数料¥330/1件)、
クレジット決済(手数料無料)
チケット引取り方法9/13(土)以降発券可能
ファミリーマート決済の方はファミポート引取(手数料¥165/1枚)、
セブンイレブン決済の方はセブンイレブン店頭引取(手数料¥165/1枚)、
クレジットカード支払いの方は上記に加え、公演当日会場引き取り(手数料無料)もお選びいただけます。
プレイガイド
チケットぴあ【Pコード:307-184】
(先行受付)プレリザーブ :調整中
ローソン【Lコード:53243】
(先行受付)プレリクエスト :調整中
イープラス(先行受付)プレオーダー :調整中
チケット購入方法
sacayメイトWEB
(要無料登録)
こちらから
堺市文化振興財団
チケットセンター
0570-08-0089(10:00~18:00) 
※一部携帯・CATV接続電話・IP電話からはご利用いただけません。
窓口販売♦下欄記載
窓口

※ 9/15(月・祝)より受付開始(※ 各館の休館日・営業時間にご注意ください)
※ チケット残数がある場合のみ販売

フェニーチェ堺(南海高野線「堺東」駅 徒歩8分)

〒590-0061 堺市堺区翁橋町2-1-1
TEL/072-223-1000
販売時間 :9:00~20:00
休館日:第1・3月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始

栂文化会館(南海泉北線「栂・美木多」駅前)

〒590-0141 堺市南区桃山台2-1-2
TEL/072-296-0015
(営業時間9:00~20:00 休館日:月曜日[祝日の場合は開館]・年末年始)

主催

フェニーチェ堺(公益財団法人堺市文化振興財団)

後援

一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

フォルテピアノ協力

新井千笑/フォルテピアノ ヤマモトコレクション

お問い合わせ
フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)
TEL:072-223-1000