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本番への道標 ~ゴスペル・ミュージカル「自由への道標」出演者インタビュー~④

2021年3月21日(日)にフェニーチェ堺で本番を迎えるミュージカル、「自由への道標」。
歌手・役者・ダンサーの3部門でそれぞれオーディションを突破した市民出演者たちが、プロの演者に混じって2,000席の大ホールで舞台を踏むという壮大なプロジェクトです。

今回も出演者インタビューをお届けします。

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◉和田ちさと(わだ ちさと):ハリエット・タブマン役

大学の声楽科で学んだあと、本格的にパフォーミングアートの世界へ。
ニューヨーク留学では体系的に演劇を学び、帰国後は京都ノンバーバルシアター「ギア」でドール役を長くつとめた和田さん。
舞台・イベントの演出や振付のほか、キッズミュージカルの講師などをしながら、舞台活動と育児の両立というテーマに挑んでいます。

 



―舞台経験は?

ブロードウェイミュージカル「ウエストサイドストーリー」のマリア役、「カンパニー」のサラ役など。
アメリカの演劇学校では奨学生に選ばれ、オフブロードウェイのコミックバーCOMIXで“スケッチ”(※)を自作自演しました。
帰国後は京都で「ギア」へのレギュラー出演のほか、演出や振付に多数携わっています。

※スケッチ・・・笑いを題材にした寸劇のこと。

 


―最近の活動は?

ミュージカル、ボイストレーニング、ジャズダンス、ボディメイクエクササイズなどを教えています。
3歳の娘の育児が生活の中心ですが、最近は自分の時間も少し取れるようになってきました。
あらためて自分の基礎トレーニングも行っています。



―ご自身の課題は何ですか?

留学前は特に声について苦手意識がありました。
アメリカで学んだトレーニングで克服できたと思いますが、それでも日々の調子は気にかかりますね。
また不器用なので、習得するまでに繰り返し練習が必要なことも。



―今回の出演について

この作品で描かれているのは、ハリエット(※)の人生のほんの一部です。
彼女の正義感や同胞に対する献身性、優しさなどを表現できればと思います。
黒人奴隷制度は知識では知っていても、私たちにはなかなか理解が及ばない部分があります。
でも、チャレンジですね。
おおげさかもしれませんが、奴隷制度を描くことを通じて権利の大切さや生きる喜びを伝えたい。
ニューヨークにいたので黒人役のイメージはできます。
彼らの持つエネルギーや存在感はとても大きいものです。

※ハリエット・・・本作の主人公ハリエット・タブマン(1820年または1821年~1913年3月10日)。自身も奴隷であり、奴隷の逃亡をたすける地下組織の指導者のひとり。奴隷や女性の解放運動に生涯をささげた。



 

―今後の夢は?

(レッスンに通ってくれる)子どもたちは“今しかできないこと”を積み重ねることで上達していくのに、この1年で空白が生まれてしまわないかが気がかりです。
今回の舞台で『今だから伝えられるもの、受け取れるもの』を共有していきたいですね。
個人的には周りの方々の理解に支えていただきながら、子育てと舞台の両立に取り組んでいます。
人見知りだった娘も、稽古場に行くのがすっかり好きになりました。
これから舞台や映像に出演する仕事も増やしていきたいですし、好きな振付にも色々な形で関わっていきたい。
それと、またニューヨークに行きたいです!

―ありがとうございました。